膵臓がんの記事が新聞に掲載されていたのでまとめてみた。
単にまとめるのも何なので有名人で膵臓がんで亡くなった方はどのような人がいるのだろうと思って調べてみた(下記、敬称略)。
元総理 阿部晋太郎
小説家 栗本薫
女優・声優 曽我町子
相撲力士 大翔鳳 昌巳
小説家 正宗白鳥
元公明党衆議院議員、中川嘉美
歌手 日吉ミミ
まれでは無いことがわかる。年間2万7千人の方が亡くなっており、がんの中では5番目に多い。
日本膵臓学会の調査では、最も初期のステージ0*で発見されると、5年生存率は、85.8%だが、肝臓などに転移し、ステージⅣ*にまで進むと、生存率は2.7%となるということだから、膵臓がんに対しても早期発見が如何に重要かということが分かる。
ところが、膵臓がんは「沈黙のがん*2」とも呼ばれているのでやっかいである。
見つかったときには手遅れの場合が少なくない。
膵臓は、臓器の位置として、内臓の奥深くにあり、体の表面から検査する腹部超音波検査では、腹の脂肪、膵臓手前にある胃の中のガスが邪魔をして画像の映りが悪く、小さいがんの発見はむずかしい。
しかし、最近は、EUS(Endoscopic ultrasonography)と呼ばれる、装置の先端部分が超音波プローブになっている超音波内視鏡を用いて早期発見をできるようになってきている。
また、膵臓がんの特徴も以前よりは把握されてきている。
膵臓の主膵管が太くなっている、あるいは、膵臓の中に膵嚢胞という膵液の入った袋ができている人は、そうでない人に比べて約3倍、、または、その両方がある人は、27.5倍の罹患のリスクがあるということだ(大阪府立成人病センターの研究)。
ただし、検査装置が比較的大きな総合病院や大学病院などでしか設置されていない、また、検査には医師の熟練した技術が必要といった、ネックがある。
いずれにしろ、膵臓がんの近親者がいる方、糖尿病の方は特に注意が必要だし、人間ドックで膵管の拡張や膵嚢胞などを指摘されたら、必ず精密検査をすべきだろう。
(*1)
膵臓がんの進行について。
ステージ0:膵臓の上皮にがんがとどまる。
ステージⅠa:膵臓の内部にがんがとどまり、大きさは2センチ以内。
ステージⅡa:膵臓の周囲にがんが及んでいるがリンパ節転移はない状態。
ステージⅣ:膵臓から離れたところに転移がみられる。
(*2)膵臓がんの症状
膵臓がんには3種類あり:膵頭部がん(全体の60~70%)、膵体部がん、膵尾部がん。
すい臓がんの共通した主な症状:体重減少、腹部膨満、便秘、下痢など。
膵頭部がんの主症状:上腹部痛、背部痛、黄疸+食思不振、全身倦怠感、心窩部不快感、腹部膨満、体重減少(一般的な消化器症状)。
膵体部がん、膵尾部がんの主症状:上腹部痛や腰背部痛など。ただし、黄疸は出にくい。
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