4/01/2011

家庭医療

家庭医療と云うことで研修医と指導医のやりとりが記されている記事を読んだ。
来院患者は、32歳の女性。2日前から咽頭痛と鼻汁があり、本日より37度台の発熱がある。
見たては、軽症の上気道炎。咳や呼吸苦もなく、基礎疾患も特記すべきものはなし。
身体所見は、鼻粘膜の腫脹と鼻汁、軽度咽頭粘膜の発赤があるのみ。副鼻腔炎もし。
研修医は、対症療法として解熱鎮痛薬と総合感冒薬を処方するつもりとのこと。
これに関し、指導医は、それだけでいいのかと研修医に問う。
つまり、家庭医としては、それだけでは不十分で、未病を治すという考えで、何かアドバイスはないのかということ。
結論的には、32歳女性ということで、子宮頸がんの年齢でもあり、「子宮頸がんの検診」を受けたらどうかとのアドバイスを行った方がいいとのこと。
その他にも、「禁煙外来、イボ取り、栄養指導、運動指導」などなど、さまざまな医療・健康ニーズに幅広く対応できるように、また、次に来院するきっかけを提供できるように準備しておいた方がいいとのこと。

これは、鍼灸治療にもいえるのではないだろうか。
ただ単に主訴を聞いて、切診し治療をするだけでなく、身体全体を見て、聞いて、問診し、切診する。
また、東洋医学の分野だけでなく、患者様の健康管理を行っていくことも、めざす方向ではないかと思う。
一般の町医者は、家庭医としていわゆる一般患者の健康管理を行っていくべき方向性を示唆している。
同時に、これは、鍼灸師としての方向性も示唆しているのではないだろうか。